先に、ひとつの事実を書く
俳句の季語は季節を示すだけでなく、読者が景色を思い浮かべる手がかりになります。最初から美しい言葉を探すより、見た物・動き・音を一つ記録してみます。
たとえば「傘の先から玄関の石へ滴が落ちた」。これはこのサイトの描写例で、俳句の引用ではありません。雨の場面がすでにあるので、細い春の雨なのか、冬の降ってはやむ雨なのかを次に確かめられます。
季節と、語が絞る範囲を確かめる
春雨と春の雨は同じ春でも範囲が違います。春雨は細かく穏やかな降り方に寄り、春の雨は降り方を広く受け止めます。現場で聞いた雨音が強いなら、細い雨の語を雰囲気だけで選ばないようにします。
検索では景色のタグと季節を組み合わせられます。音数は最後の調整に使い、五音だからという理由だけで実景を変えないことを勧めます。
形容を、見える物へ置き換える
「きれい」「寂しい」「涼しい」を一度外してみます。何の色が変わったのか、どの音が止んだのか、どこに立ったのか。自分しか見ていない細部を一つ残すと、読者にも場面を渡せます。
気持ちを消す必要はありません。まず景色を確かめた上で、その気持ちを言葉にするのか、景色に託すのか選びます。
声に出し、余分を見直す
この段階で読みを声に出し、五・七・五に組み立てる方法を試します。「風光る」は、か・ぜ・ひ・か・るの五音。漢字の数では数えません。
完成の採点や自動生成は行いません。言葉の意味、似た語との違い、観察の問いを材料に、自分の表現を作るための道具です。