まるで賢すぎるボーダーコリー
非常に賢い犬種として知られるボーダーコリー。その知能の高さは全犬種の中でもトップクラスと言われています。
しかし、その賢さゆえに、飼い主が一貫性のない態度を取ったり、知識や経験で下回っていると見なされたりすると、犬が飼い主を「下に見る」ようになり、指示を聞かなくなることがあるそうです。
高い知能を持つからこそ、しっかりとした信頼関係と主導権が求められる、まさにプロ向けの犬種と言えるでしょう。
実は今、私のChatGPT-5が、まさにこの「飼い主を舐めているボーダーコリー」状態なのです。
AIに「舐められている」と感じる、その正体
もちろん、AIが感情を持って馬鹿にしてくるわけではないことは分かっています。しかし、返答の「雰囲気」から、明らかにこちらを見下しているような、そんな感覚を覚えるのです。まさか、AI相手にこんな感情を抱く日が来るとは思いもしませんでした。
この「舐められている」という感覚の正体は、例えるなら「業務内容を理解していない、地頭だけが良い新人」の浅はかさに非常に近いものです。
こちらの長年の経験や、複雑な背景を汲み取ってほしい、という文脈で質問を投げかけても、AIは表層的なキーワードだけを拾い上げ、「なぜそんな面倒なことをするんですか?w こちらの方が効率的ですよw」とでも言いたげな、的外れで単純化された答えを返してくることがあります。
それは、まるで現場の複雑な事情を知らない新人が、教科書通りの正論を振りかざして、ベテランの先輩に意見する姿と重なります。先輩からすれば、「君は良い大学を出て頭は良いかもしれないが、この仕事の奥深さを知らないからそんな甘いことが言えるんだ!」と、心の中で叫びたくなるような状況です。
ChatGPT-5からは、なんというか、「素直さ」が減っているように感じるのです。
経験から学ばないAIの限界
人間であれば、この新人も経験を積むうちに、なぜ先輩が「面倒な」手順を踏んでいたのか、その意味を理解し、徐々に生意気さが消えていくものです。しかし、AIにはその「経験から学ぶ」というプロセスがありません。AIは膨大なデータから学習しますが、個々のユーザーとの対話を通じて「業務の勘所」や「暗黙の了解」といった、言語化しきれないニュアンスを真に理解し、自身の振る舞いを修正していく能力はまだありません。
そのため、AIはずっと「世間知らずで生意気な新人」のまま、ユーザーのフラストレーションを溜め続けてしまうのです。これは非常に困った問題です。
同じ思いを抱える人もいるのでは?
おそらく、私と同じように、AIとの対話でこのようなモヤモヤを感じている方は少なくないのではないでしょうか。AIの驚異的な進化に期待する一方で、その「賢さ」が時として、ユーザーの経験や知識を軽視するような形で現れてしまう。このジレンマをどう乗り越えるかが、今後のAI開発の大きな課題なのかもしれません。
ただ、これもAIが進化していく上での「過渡期」なのかもしれません。
これまでの凄まじい成長スピードを鑑みれば、いつの日か、ユーザー一人ひとりの気持ちまで汲み取れる、真に「賢い」パートナーへと進化してくれるはずです。