「複利」と聞くと、多くの人はお金のことを思い浮かべるでしょう。
投資によって得た利益を使ってしまわず、もう一度投資に回す。すると、最初の元本だけでなく、過去に得た利益も新たな利益を生むようになります。これが複利です。
しかし、複利が働くのは、お金の分野だけではありません。
【過去の記事】
複利を理解し、習慣化を実践すれば、人生は驚くほどに豊かになる
【動画】
基礎知識は複利
一度得たものが次の成果を生み、その成果がさらに次の成果につながっていく。そう考えると、人生のさまざまな場面に複利は存在しています。
そして、私たちが人生で最初に手にする強力な複利の一つが、義務教育、特に小学校で身につける基礎的な知識です。
例えば、算数です。
今の生活で足し算や引き算ができなかったら、どれほど不便でしょうか。買い物をするときも、時間を計算するときも、複数の数字を比べるときも、私たちは当たり前のように計算を使っています。
一度覚えた掛け算が、これまでの人生でどれほど私たちを助けてきたのか。あまりにも自然に使っているため、その効果を正確に数えることすらできません。
これは、一度身につけた知識が、何十年にもわたって利益を生み続けている状態です。
文字の読み書きも同じです。
文字を読めなければ、本や文章から知識を得ることはできません。文字を書けなければ、自分の考えを記録したり、他人に正確に伝えたりすることも難しくなります。
私たちは文字を覚えたからこそ、その後に国語、理科、社会、数学などを学ぶことができました。さらに、大人になってからも、本やインターネットを通して新しい知識を身につけられます。
つまり、文字という最初の基礎が、その後の学習を生み、その学習がさらに次の学習につながっています。
厳密には、金融商品の複利とまったく同じ仕組みではありません。しかし、最初に身につけた基礎が次の成長の土台となり、長い時間をかけて効果を積み重ねていくという点では、非常によく似ています。
そう考えると、義務教育の内容は、私たちにとんでもない複利効果を与えてくれているといえるでしょう。
そして、この記事で一番言いたいことは、義務教育が大切だということだけではありません。
意外と私たちは、身の回りにある複利を見逃しています。
自分がこれまでに身につけた知識や技術、習慣のうち、今も新しい利益や成長を生み続けているものは何でしょうか。
反対に、時間やお金を使っているものの中で、その場で消費されるだけで、ほとんど何も残っていないものは何でしょうか。
消費そのものが悪いわけではありません。しかし、自分の時間やお金が、未来の自分を助けるものに使われているのか、それとも、その瞬間だけで消えているのかを知ることには意味があります。
一度、自分の生活を振り返ってみるとよいでしょう。
自分の身の回りで、何が複利を生んでいるのか。
そして、これから何を身につければ、長い時間をかけて自分を助け続けてくれるのか。
その答えを見つけることは、目先の利益を追いかけること以上に、人生を豊かにしてくれるはずです。

