上場企業の有価証券報告書の財務諸表をしっかり読みたいと思い、風船会計メソッドを読みましたので書評です。
ビジュアルで財務諸表を把握する
風船会計メソッドでは、売上を風船に置き換えたり貸借対照表を豚の貯金箱に置き換えたりして、会計上の数字を単なるデータではなくビジュアルで表します。
知識ゼロでも分かる 風船会計メソッド
本書は、徹底してビジュアルで会計の読み方がわかるようにしているのが特徴です。
風船会計メソッドでは、会計を「風船」と「豚の貯金箱」に例えて理解します。
本書によると、数字を扱う領域は左脳であり、その左脳が一度に把握できる情報量はA4用紙2枚程度だと言うことです。一方、ビジュアルを扱う右脳は左脳の何倍も記録力や状況把握に優れているそうです。ですから、財務諸表を豚の貯金箱と風船に例えることで簡単に理解できるというわけです。
本書は「貸借対照表」から始まり、「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の読み方を学びます。
貸借対照表は豚の貯金箱
貸借対照表は豚の貯金箱に例えます。左は豚の貯金箱の中身の内訳、右はお金の調達方法の説明していると理解します。
それを理解した上で、貸借対照表の読み方のキーワードはタテ(右)タテ(左)ヨコ(下)ヨコ(下)の順に読み解くと理解できます。
右タテでは自己資本比率をチェックします。
左タテでは、流動資産と固定資産を把握します。
下ヨコでは、固定資産と自己資本を比較して、会社のイケイケ度を測ります。
上ヨコでは、流動資産と流動負債を確認します。
この一連の流れで貸借対照表を読むことで、会社がどんな姿をしているかを把握できます。
運転資金
貸借対照表では、すぐにお金にならないものの存在しており、それを本書ではオバケと読んでいます。このお化けはいつか現金になるものだけど、増えると会社の現金のやりくりが大変になる厄介な存在です。
このお化けを、数字ではなくビジュアルで把握することは、数字ではイマイチ感じられない緊迫感を覚えることができて、とても良い例えだと思いました。
損益計算は風船と気球
次に、損益計算書は「風船」に例えて勉強します。
損益計算書は、会社の利益状況について記載されている書類です。
その売上全体を風船に例え、変動費をオモリに例えます。
その後、さらに風船のガスを気球に移し、そこで固定費をオモリとして扱い、最後に残ったものを利益として把握するようにします。
風船やバルーンは、ガスが多いと高く飛ぶので、とてもわかりやすい例えです。
キャッシュフロー計算書
最後に、キャッシュフロー計算書でお金の流れを把握します。
キャッシュフローの3つの区分をしっかり理解することで、お金の流れを掴み、安全な経営ができます。
感想
最近、今後の個人開発に活かしたいと思って、上場企業の有価証券報告書に目を通すようにしています。その中で、もっとしっかり会計の側面から有価証券報告書を深く読めるようになりたいと考えていました。
その時にちょうどこの本を発見して買って読みました。
結果として凄い頭の整理ができました。
読むべきポイントのメリハリがついて、迷うことがなくなったのと、ビジュアルで会計がイメージできるようになったことで、より企業の裏側が把握できるようになりました。
本書は知識ゼロで読める書いてある通り、会計の超入門書であり、これから会計の知識を学ぼうとする人にとって最高の水先案内人だと思いました。この本を足がかりに、会計知識を深めていきたいと思います。