樺沢 紫苑著の『読書脳』の書評です。
本書の目的と要点
本書は、読書が私たちに与える力と、その力を活かすために有効な記憶に残る読書術の方法を解説しています。
本書の要点は
- 本を忘れない方法は、読んだ本の内容を適切なタイミングと方法でアウトプットすることにある。
- 圧倒的なインプットが圧倒的なアウトプットを産む。
- 読んだら忘れない読書の最も大事な2つのキーワードは「アウトプット」と「隙間時間」である。
読書が必要な理由
読書は、結晶化された知識の塊であり、体系化された知識は陳腐化しないので、ずっと私たちの血肉となります。一方、新聞は知識ではなく情報の塊で、こちらは時間が経つと価値が急速に失われるもの。
また読書は、先人たちの経験・体験を格安で入手する方法。本を買って先人の体験・経験を追体験すれば、自分が試行錯誤する時間を省くことができる。つまり、本を買うことは、時間を買うことと同義である。
日本人は約50%は読まないそう。そして、月に7冊読めば、日本人の上位3%に入ることできます。
忘れない読書術
せっかく沢山の本を読んでも、内容を忘れてしまったら全く意味がない。
では、10年経っても忘れない読書をするにはどうすればいいのか?
1週間に3回、アウトプットする
脳が覚える時は、何回も繰り返し登場する時か、感情が動くとき。
そのため、最初にインプットしてから、1週間に3回復習すれば忘れない。
4つのアウトプット
- 本を読みながらメモをとる
- 本を人に話す。勧める。
- 本の感想や気づき、感想をシェアする。
- ブログに感想を書く。
隙間時間を活かす
読書術とは、すなわち時間術である。
- 読書時間の優先順位を決めるべし。
- 出かける前に読む本を決めることで、制限時間が発生して記憶に定着する。
速読より深読
速読しても内容が記憶に残らなくては意味がない。本は、深く読みこみ、議論ができる水準にする。
アウトプット
読書の時は、マーカーで引き、書き込みをする。
マーカーと書き込みで、記憶を最大化することができます。
隙間時間
隙間時間の方が制限時間があるので読書が進む。
目次を見て全体を把握し、その本を読む目的を決まることで読むスピードが上がります。また、本は読みたい箇所から読んで良い。
本の選び方
本は、数より何を読むかが大事。
自分のレベルに合った本を選ぶことだ大切。
初心者は自分のレベルより高い本を選びがちなので注意が必要。
尊敬できる人の推薦本
自分が憧れる人、専門家の人などが推薦する本は当たりが多い。
書店のランキングに頼らない
書店のランキングは自分軸での本の選択ではない。
自分に合う本を選ぶ方が良い。
感想・収穫
本書は、2015年4月に刊行された『読んだら忘れない読書術』を加筆・再編集したものです。私は以前に『読んだら忘れない読書術』を読んだことがあり、とても良い本だったので、『読書脳』も読みました。
ブログ『【大予測】これからのAI時代は国語力が最も重要になる』でも書きましたが、AIが進化した現在こそ読書の価値が高まると思っているので、改めて読書術を確認できてよかったです。
以下が特に大事だと思いました。
- 読んだ本は自分の使える知識となるように、必ずアウトプットをする。
- 圧倒的なインプット(読書)により、圧倒的なアウトプット(感想やブログ)の質をどんどん高める。
本書の提唱する読書術を身につけ、知識と文章の読解力と伸ばしたいとおもいます。