0とマイナスに陥るな
私がもし若者に何かひとつアドバイスをするなら「0かマイナスの状態に陥ってはいけない」と言うでしょう。
例えば、
一文無しの無収入の状態で、音楽で成功を目指してはいけない。
稼ぎも貯蓄もないのに、いきなり起業してはいけない。
特殊な技能もないのに、大学を中退してはいけない。
みたいな感じです。
もしこれを聞いた若い人は「なんだこいつ?俺の情熱や才能があれば必ず成功するのは分かっているに、遠回りしろってのか?何にも分かってないな……」と思うでしょう。
おそらく、このリスクを誰も取りたがらない日本において、大きな野望を抱くあなたは成功するはずです。ただ、それはいつになるか分かりません。1年後かもしれないし、10年後かもしれないし、50年後かもしれません。
ほとんどの人がそのオーラに圧倒されるような絵を描いたゴッホは、自分が死んでからヒットしました。
つまり、成功に時間制限をつけるような「背水の陣」の動きをしてはいけないのです。
アインシュタインは天才です。それでも彼は、初めは公務員になって、安定的な収入を確保しながら論文を執筆したそうです。彼はいづれ間違いなく成功するが、それでも日々の生活はしないといけないから安定した職を確保したのでしょう。
0と1の断絶の壁
よく、ゼロ→イチが一番難しいと言いますよね。
これは、起業などビジネスを立ち上げるのが一番大変だという話ですが、これは、ありとあらゆる場面で言えることです。
何が言いたいかというと、人生においても、何も持たない0の状態や、借金や時間的な余裕が全く確保できないマイナスの状態に陥ると、そこから這い上がるはとてつもなく労力がかかるのです。
世に聞く様々なサクセスストーリーでは、崖っぷちの主人公が一発逆転の手を打って大成功がウケます。だから自分もそうしたい気持ちは分かります。ですが、それは嘘です。
大勝負を打って世の中を変えると息巻く若手起業家の多くは実家が裕福で、失敗しても生活が保障されている場合が多々あります。要するに、セーフティーを隠し持っているのです。そんな人たちの「失敗したら終わりくらいのリスクを取らないと大成功はない」のような甘い言葉を信じるのは、地獄への第一歩です。
「ブランド服が欲しかったから、その服を買うために家にある服を全部叩き売って、一発勝負で競馬をした。だけど負けたので、お金を稼ぐために外出しようにも、そもそも着ていく服がない」みたいなこと言ってる奴がいたら、馬鹿か?と思いますよね。
彼らが言ってるのは、それですよ。そして、言ってる彼らは着ていく服も勝負するお金も残している、ということです。
ということで、ゼロとマイナスに自ら飛び込むような人生にはならないように気をつけてください。
以前書いた記事『「服を買うのに着ていく服がない」デッドロック状態になってはいけない』も参考にしてください。