AI志向がこれからのメインストリームになる
AI志向とは何か?
AI志向とは、AIが操作する前提で設計されたモノ・サービスを指します。もちろん、これは私の造語ですが、今後の技術の進化を考えれば、こうした発想が主流になる可能性が高いでしょう。
従来のソフトウェアやハードウェアは、人間が直接操作することを前提に作られていました。
しかし、AIが日常的に活用される時代では、AIが代わりに操作することを前提とした設計が求められます。つまり、「人間が使う」から「AIが使う」へのシフトが起こるのです。
ハードウェアはAI志向に適応するのか?
この変化は、まずはソフトウェアの領域で進むでしょう。なぜなら、ハードウェアはAI志向の変革を受け入れるには適していないからです。
例えば、家の電子レンジに「AI機能」を従来の電子レンジの3倍の値段で追加し、課金制にすることは現実的でしょうか?
また、故障すれば買い替えが必要になります。また3倍の値段を払いますか?嫌でしょう。
あるいは、現在の家の家具家電を改造することも考えられるが、それはあまりに非効率でしょう。
現状のスマートスイッチなどを見ればわかりますが、ハードウェアのAI化には限界があります。
むしろ、一台のAIロボットが家全体を操作する方が合理的です。
これを考えれば、AI時代には広い家の方が利便性が高くなり、そうした住空間が新たなトレンドになるかもしれません。つまり、ハードウェアと家具家電ではなく、AIロボットと住空間のAI志向はあり得ます。
AI志向設計の本丸はソフトウェア
それでもAI思考における最大の変化は、やはりソフトウェアです。その中でも特に影響を受けるのはOS(オペレーティングシステム)だと考えています。
例えば、このブログを執筆するためには、
- パソコンのロックを解除する
- ウェブサイトにアクセスする
- 管理画面に入る
- 新規作成ボタンを押す
- 記事を書き始める
といった一連の動作が必要です。これは非常に面倒です。(慣れすぎて気づいていない人もいるかもしれませんが、今のパソコンやスマホの操作は無駄なステップが多くて面倒なのです。)
しかし、AI志向のシステムなら、席に座った途端にPCの画面が自動でつき、「ブログを書きたい」と言えばすぐに編集画面が開きます。
この発想はブログ執筆に限らず、あらゆるソフトウェアの場面で適用可能です。AIが操作する前提で作られた優れたOSが登場すれば、それを開発した企業が次世代の覇権を握る可能性が高いと考えます。
実は、ことプログラミングに関しては片鱗が見えており、Anthropic社が開発はしている「Cline」が私の言いたいことに近いと思います。Clineは、人間が指示したら勝手にコードを書いて実行したりテストしたりしてくれます。
次世代のOSを握る企業は?
現時点で、このコンセプトに近い企業としてはパランティア(Palantir)があります。ですが、彼らの製品は主に国や大企業向けであり、一般ユーザーが利用できるものではありません。
前述したAnthropic社も可能性がありそうです。
どちらにせよまだ確定的な存在はありません。
なので、今後はAIに操作させる前提の新しいサービスが登場したら片っ端から、実際に使ってみることが重要です。
そして、「もう元のやり方には戻れないな」と感じさせるような革新的なサービスが何なのかを見極めるべきでしょう。
ということで、今回は、AI志向の時代について考えてみました。
終わり。