ドント式計算の説明
ドント式計算は、比例代表制選挙における議席配分の方法の一つです。この方式はベルギーの数学者ヴィクトル・ドントにちなんで名付けられました。ドント式は、各政党の得票数を1から順に整数で割り、その商の大きい順に議席を配分する方法です。この方式は、比較的単純であり、小規模な政党にも公平なチャンスを与えることで知られています。
計算式
ドント式計算の基本的な手順は以下の通りです:
- 得票数の設定: 各政党の得票数を設定します。
- 商の計算: 各政党の得票数を1から順に整数で割ります。この整数は、既に配分された議席数に1を加えた数です。
- 議席の配分: 計算された商の中から最大のものを選び、その政党に議席を1つ配分します。これを繰り返し、全ての議席が配分されるまで行います。
計算例
例えば、3つの政党A、B、Cがそれぞれ100票、80票、30票を獲得し、合計5議席を配分する場合の計算は以下のようになります。
- 初期状態:
- 政党A: 100票
- 政党B: 80票
- 政党C: 30票
- 第1議席の配分:
- 政党A: 100票 / 1 = 100
- 政党B: 80票 / 1 = 80
- 政党C: 30票 / 1 = 30
- 結果: 政党Aが最大の商を持つため、第1議席を獲得。
- 第2議席の配分:
- 政党A: 100票 / 2 = 50
- 政党B: 80票 / 1 = 80
- 政党C: 30票 / 1 = 30
- 結果: 政党Bが最大の商を持つため、第2議席を獲得。
- 第3議席の配分:
- 政党A: 100票 / 2 = 50
- 政党B: 80票 / 2 = 40
- 政党C: 30票 / 1 = 30
- 結果: 政党Aが再び最大の商を持つため、第3議席を獲得。
- 第4議席の配分:
- 政党A: 100票 / 3 = 33.33
- 政党B: 80票 / 2 = 40
- 政党C: 30票 / 1 = 30
- 結果: 政党Bが最大の商を持つため、第4議席を獲得。
- 第5議席の配分:
- 政党A: 100票 / 3 = 33.33
- 政党B: 80票 / 3 = 26.67
- 政党C: 30票 / 1 = 30
- 結果: 政党Cが最大の商を持つため、第5議席を獲得。
最終的な議席配分は、政党Aが2議席、政党Bが2議席、政党Cが1議席となります。
この計算例からわかるように、ドント式計算は各政党の得票数に基づいて、公平に議席を配分することができます。