分散とは、統計学における重要な概念の一つで、データセット内の各データがその平均値からどれだけばらついているかを示す指標です。以下に分散に関する基本的な説明を行います。
分散の意義
データのばらつきの度合いを知ることは、データが全体としてどれだけ散らばっているか、または集中しているかを知る上で非常に有用です。例えば、2つのクラスの試験の点数が平均70点であったとしても、一つのクラスはほとんどの生徒が70点前後で、もう一つのクラスは半分の生徒が100点、残りの半分が40点だった場合、これらのばらつきは異なります。このようなばらつきの度合いを定量的に表現するのが「分散」です。
分散の計算方法
分散は、次の式で計算されます。
$$ \text{分散} (s^2) = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i – \mu)^2 $$
ここで、
- ( n ) はデータの数
- ( x_i ) は各データ
- ( \mu ) はデータの平均値
を表します。
この式を通して、各データが平均からどれだけ離れているかの二乗の平均を計算しています。なお、二乗する理由は、データの差を正の値として取得するためです。
注意点
分散はばらつきの指標として非常に有用ですが、単位の二乗となるので、実際のデータとは異なる単位が得られます。例えば、身長の分散を計算すると、「センチメートルの二乗」という単位になります。この問題を解消し、実データと同じ単位でばらつきを評価するために、分散の平方根を取った「標準偏差」がよく用いられます。
分散は、データ分析や機械学習、統計学において基本的な知識として理解しておくべき概念です。正確にデータの特性を捉えるために、分散や標準偏差を適切に活用することが大切です。