CAPM(資本資産価格設定モデル)計算ツール
CAPM(資本資産価格設定モデル)について
CAPM(Capital Asset Pricing Model、資本資産価格設定モデル)は、金融経済学において、リスクを取ることによる投資の期待リターンを評価するためのモデルです。このモデルは、特定のリスクを取ることによって投資家が期待するリターンを計算するのに役立ちます。CAPMは、投資のリスクとリターンの関係を理解する上で非常に重要なツールとされています。
CAPMの計算式
CAPMの基本式は以下の通りです:
$
\text{期待リターン} = \text{無リスク利回り} + \beta \times (\text{市場リターン} – \text{無リスク利回り})
$
ここで、
- 無リスク利回り:リスクのない投資(例えば、政府発行の国債)から得られるリターン
- 市場リターン:市場全体の平均リターン
- β(ベータ):投資対象のリスクを市場全体のリスクと比較したもの。βが1より大きい場合、投資は市場よりリスクが高いとされ、1より小さい場合は市場よりリスクが低いとされます。
計算例
例えば、無リスク利回りが2%、市場リターンが8%、投資対象のベータが1.5だとすると、期待リターンは以下のように計算できます。
- 無リスク利回りを小数で表現:$ 2\% = 0.02 $
- 市場リターンを小数で表現:$ 8\% = 0.08 $
- ベータ:1.5
これらの値をCAPMの式に代入します:
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\text{期待リターン} = 0.02 + 1.5 \times (0.08 – 0.02) = 0.02 + 1.5 \times 0.06 = 0.02 + 0.09 = 0.11
$
つまり、期待リターンは11%となります。
まとめ
CAPMは、投資のリスクとリターンの関係を定量的に評価するための強力なツールです。投資家はこのモデルを使用して、特定のリスクレベルに対する適切なリターンを判断し、投資ポートフォリオの調整を行うことができます。ただし、実際の投資判断には、市場の変動性、経済状況、個々の投資目標など、多くの要因を考慮する必要があります。