金儲けのレシピ -『完全競争市場』にならない市場を狙え

金儲けのレシピ 読書
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本書の要諦

  • 儲からないビジネスは以下。「誰でも簡単に必ず儲かるはあり得ない。」「初期投資が重すぎるビジネスはダメ。」「自分が詳しくないビジネスはダメ」
  • 儲けるためには「特殊な理由で『完全競争市場』にならない市場」を発見し、また作り出す必要がある。
  • 本書で紹介されている15のレシピを知り、活用する。

金儲けのための15のレシピ

15のレシピは以下。

  • 消費者から買う
  • 客に作業させる
  • まとめると高くなる、切り分けると高くなる
  • 1:n構造を作る
  • 両方から金をもらう
  • 合法的に麻薬を売る
  • 確率をいじる
  • 空気を売る
  • 意思決定に介入する
  • 仕入れで儲ける
  • 他人の財布を狙う
  • 高いものはいいものだ
  • 勝手に「権威」になる
  • 信者ビジネス
  • 究極レシピ

消費者から買う

例)バイクの買取王、中古車買取専門ガリバー

消費者は、買い物のプロ(消費=買い物)。販売商品の値段に非常にシビア。

しかし、例えばブックオフで本を売るなど、自分が商品を売る場合には知識が少なく相場を理解していない。消費者から買うビジネスは、消費者から安く買って業者に高く売るチャンスが常に存在する。

客に作業させる

例)焼き肉屋、イケア

お客さんに作業をさせることで(作業コストを転嫁させる)コストを抑えることができる。

  • 作業にエンタメ性を持たせる
  • セルフ〇〇を発明する

まとめると高くなる、切り分けると高くなる

例)森ビル(スケールメリット)、個人の人材エージェント(スモールメリット)

スケールメリット、スモールメリットが存在する。

森ビルは、小さな土地を購入し、その土地をまとめる再開発で高い利益を得るスケールメリット。

スモールメリットは、例えば優秀な人材エージェントが、他の人間を雇わずに、全てを1人でやることで、高い利益を得るなど。

ベンチャーは、スモールメリットで戦う方が良い。

1:n構造を作る

例)本、CD、ビデオオンデマンド、インターネット

商品を多数の消費者に販売する構造。インターネットがまさにこれ。

両方から金をもらう

例)ビズリーチ

企業、ユーザー両方からお金をもらう。など。

肝は、既存のキャッシュポイント(売買が発生するところ)だけでなく、他のキャッシュポイントを探ること。

合法的に麻薬を売る

例)パンケーキ、タピオカミルクティー

砂糖のような中毒性が高い商品を狙う。

確率をいじる

例)ビックリマンチョコ、スマホゲームのガチャ、FX

人は射倖心に弱い。

損失を回避したいという人間の心理を活用する

空気を売る

例)水商売、クラブ

水(水商売)、空気(イベントや場)ビジネスは高い利益を得られる。

利益率の高い無形商品は、何らかの有形商品の形を取る。水商売なら、キャスト、お酒、席料など。イベントなら、入場料や酒代など。

意思決定に介入する

例)昔の大塚家具、訪問営業

消費者の商品の購入の意思決定に影響を与え、高い利益が取れる商品へ誘導する。

仕入れで儲ける

例)スタバ、俺のイタリアン

仕入れで儲けるには二種類のパターンがある。

「安く仕入れて普通に売るか」or「普通に仕入れて高く売るか」

「普通に仕入れて高く売る」はブランドを構築して高い値段設定をすること。

「安く仕入れて普通に売るか」 は、癒着や大量購入、特殊な仕入れ先の確保などを通じて他のライバルより安く手に入れる。こちらの方が周囲に利益の源泉がバレにくい。

他人の財布を狙う

例)プレゼント、結婚式、葬式

自分のお金にはシビアでも、他人のために使うお金は財布が緩くなる。

女性へのプレゼントなら、高い方が良い。

会社の金も他人の金なので、toBビジネスもこのパターン。

高いものはいいものだ

例)高級時計、高級車

高い方が良いと思われている商品が存在する。経済用語で言う顕示的消費

「高い値段なら、良い商品だ」と言う因果の逆転も発生しているので、高い値段設定の方が良い商売がある。

勝手に「権威」になる

例)漢字検定、食べログ

食べログなどは勝手に飲食店を評価している。こうやって有意な立場を作ってしまう。

謎の資格を作り、勝手に格付けすることで、ブランドを構築してしまう方法。

そこから、講師業に展開することで、さらに利益を得られる。

信者ビジネス

例)アップル、サイバーエージェント

商品の熱狂的なファンを作れば、そのファンが勝手に他の人に宣伝してくれるので、CAC(顧客獲得コスト)が大幅に下がる。

商売に宗教構造を持込む。

究極レシピ

例)セブンイレブン

儲かるシステム(レシピ)を売る

雑感

ビジネスの構造に注目して、成功するパターン自体を紹介している本。

実際に儲かっていたり長く存続している企業の多くが、このパターンに沿ってビジネスをしていることに気づく。

個人的には「スモールメリット」の考え方が良かった。まさに弱者の最初の闘いは「スモールメリット」からだと思った。

現在なら、個人がインターネットでビジネスをするのが簡単になっているので、「1:n構造」や「信者ビジネス」「勝手に権威になる」「確率をいじる」あたりがやりやすいように思った。

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