DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール【書評】

読書
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『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』を読んだ感想です。

今しか出来ない経験こそ最上

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』で主張していることは、

「今しか出来ないこと」をした経験が、最も人生を豊かにする投資なので、今しか出来ないことにガンガンお金を使おう。必要以上にお金を稼ぐことに時間をかけ過ぎてはならない。というものです。

具体的な例として、会社の同僚が20代のまだ貧乏な時に、突然バックパッカーで長旅に行った話がありました。

著者には、同僚が、職を失う危険があり、さらに借金をしてまで旅行に行くのが衝撃だったそうです。

ただ結果として、このバックパックの経験は同僚の本人にとって最高の思い出で、何ものにも変えられない価値があったと振り返っています。

自分の考えに近い本だった

本書の主張と行動が、自分の考えに近くて結構驚きました。

私も、やりたいことは、どんどんチャレンジするようにしています。

先ほどの例に近いものでいうと、中学校時代には、青春18切符で小田原から広島まで友人と二人で行って、泊まる宿が見つからずにファミレスで追い出されたり、大学時代には40日かけてアメリカの西海岸のシアトルから、東海岸のニューヨークまで鉄道を使って横断したりしたのを思い出しました。

両方ともお金がなくて大変でしたが、本当に楽しかったです。

本書の主張の通り、これらの思い出はかけがえのないもので、何よりも価値がある記憶になっています。

今の日本の若者の過度の節約と投資思考に一石を投じる

この本では、死ぬ時までに経験の価値を最大化することを目標にしています。

そう考えた時、今の日本の若者の一部に広がる投資ブームに一石を投じるところがあると感じました。

本書では、若い時に稼げるお金は少ないのに、その少ない額からせっせと貯金するのは合理的でないと主張します。将来もっと稼げるようになるのなら、若い時に稼いだお金はどんどん今しか出来ないことに使うべきです。

ですから、最近の若い人ができるだけ節約して少ないお金をためて、様々な経験を諦めるのは勿体無いことになります。

確かに、今の若者の安定思考は強すぎるように感じることもあります。

個人的には、20代前半なら、会社を退職しても暮らせる金額である半年分の生活費が貯まったなら、そこからは経験にお金を払う方がいいと思います。

生き方が上手い向けの本

本書を読んで「確かにそうだ」と思う一方、鵜呑みにすると危険な本だととも感じました。

理由は、本書が主張する事柄を実践するのは非常に難しいからです。

将来のお金を当てにして、お金をどんどん使って経験を得る行為は、将来にちゃんと計画通りに右肩上がりに稼げないといけません。

でも一部の人はこの行動は非常に恐怖を覚えるだろうなと思います。将来へのリスクを感じやすい人です。

逆に、将来へのリスクを一切感じない人もおり、その人は経験にお金を使い過ぎて、借金で首が回らなくなる危険があると思います。

ですから、本書の主張通りにうまく行動できる人は思ったより少ないのではないかと思います。

その通りだが、底辺にはその通りでない

結局、本書の主張は、人生の上位層の人向けの者で、本当に生活が危なかったり余裕がない人向けのものではありません。

その日暮らしの雇用が安定しない人には「正直、知ったこっちゃない。」という内容です。

本書は人生を一発逆転させる方法を教えてくれる本ではないです。

食べ物に例えると、本書の内容は、美味しいデザートの食べ方を教えてくれる本で、腹が減って死にそうな人間に白飯をいっぱいに食える方法を教えてくれる本ではないのです。

そのことを意識せずに行動すると痛い目を見る危険があるので、一つの考え方として参考にするのが良いだろう。というのが私の正直な感想でした。

終わり。

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