天使の囀り【書評】

読書
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先日なんとなく、ホラー系の本を読みたくなったので、貴志 祐介の『天使の囀り』を読みました。

過去に、彼の『黒い家』は読んだことがあるのですが、もう本当トラウマレベルで怖かったですから、これも怖いだろうなぁと期待していました。

それで読んだ結果ですが、怖さの質がちょっと想像と違っていました。

一般的なホラーの怖い感覚というよりは、生理的な嫌悪感からくる恐怖でした。根源的な穢れに対する恐れみたいな。遺伝子レベルでインプットされた恐怖にズバズバ刺してくる感じがして、本当に素晴らしい…笑。

私が特に怖かったのは、アマゾンの村に伝わる伝承の箇所です。昔の人が残した、理解できないけどヤバいからあそこには近づくな!みたいな話って、日本とかにもたくさんあるじゃないですか?で、科学が発達して「あれってこういうことだったんだ!」っていう。自分がこういう系に弱いっていうのもあるんですが、特に本書のそれは、「本当にこの伝承があるんじゃね?」と思わせるリアルさで、鳥肌止まりませんでした。

あと、最後の締めも怖い…。現実の世界ってこうだよなぁ。って思わせる終わり方で、そこが余計モヤモヤというか、考えさせてくる感じで、読み終わっても簡単には逃さんぞっていう意気込みを感じました。

生物の描写がとにかく気持ち悪いので、虫とか苦手な人にはオススメできませんが、逆に幽霊とかは出ないので、そっちが苦手な人で怖い思いしたい人にはオススメの一冊です。

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