NAV倍率とは
NAV倍率は、不動産投資信託(REIT)や投資ファンドの株価を1口あたりの純資産価値(NAV)で割ったものです。この指標は、特にREITの評価において重要であり、株価がその基礎となる資産価値に比べて過大評価されているのか、あるいは割安であるのかを判断するのに役立ちます。NAV倍率が1より大きい場合は過大評価、1より小さい場合は割安と見なされることが多いです。
計算式
$ \text{NAV倍率} = \frac{\text{株価}}{\text{1口あたりNAV}} $
ここで、
- 株価は、市場で取引されている1口あたりの現在の価格です。
- 1口あたりNAVは、不動産投資信託や投資ファンドが公表する1口あたりの純資産価値です。
計算例
例えば、あるREITの株価が2,000円、その1口あたりのNAVが1,800円である場合、NAV倍率は以下のように計算されます。
$ \text{NAV倍率} = \frac{2,000円}{1,800円} = 1.11 $
この計算結果は、株価が1口あたりの純資産価値よりも11%高いことを示しています。この場合、REITは市場で若干過大評価されている可能性がありますが、市場が将来の成長を期待している、あるいは他の要因によって価格が押し上げられていることも考慮する必要があります。
重要性と利用
NAV倍率は、REITや投資ファンドの投資判断において重要な役割を果たします。投資家はこの指標を使用して、投資対象の市場価値がその基礎資産の価値に対して妥当かどうかを評価できます。しかし、NAV倍率だけではなく、配当利回り、成長性、市場環境など、他の多くの要素も考慮に入れて総合的な判断を下すことが重要です。