「ソース階級」の誕生とベーシックインカム
ベーシックインカムという概念があります。
これは、すべての人に、働かなくても一定額の生活費を支給するというこの制度です。
一見すると、そんなことは実現不可能に思えますが、実はAIの進化がその実現を後押しするかもしれないと私は考えています。
シンギュラリティ時代と労働価値について
先の未来では、AIが人間の能力を超える「シンギュラリティ」が到来する可能性があります。
その結果、人間の労働の価値はほぼゼロになるでしょう。 多くの仕事がAIによって代替され、人間にお金を払う理由がなくなるからです。
そうなると、どうやって人々は、お金を稼ぐのでしょうか?
そこで今回の説です。
私は、AIのシンギュラリティによって職を失った人々は、自分たちの生活の情報を提供することで、ベーシックインカムが支給される可能性が高いと考えています。
ここで登場するのが、私が「ソース階級」と名付けた新たな階層です。
AIの発展には膨大な学習データが必要不可欠ですが、そのデータはすでに枯渇しつつあります。そこで、新たな価値を生み出すのが「人間の日常」そのものです。
具体的には、人々が「AIグラス」のようなデバイスを装着し、日常生活を送ることで、その会話や視覚情報がAIの学習データとして収集されます。
このデータ提供の対価として、ベーシックインカムが支給されるという仕組みです。
つまり、「ソース階級」は、AIの学習データ(日常生活)を提供する見返りとして、ベーシックインカムを受け取る人々を指します。
「ソース階級」は、資本や所有権を持たない層がメインとなるでしょう。
AIがシンギュラリティを達成する時、資本や所有権を持つ層は途方もなく豊かになる一方、何も持たない層は、労働の価値が極端に減少する世界で、一発逆転はほぼ不可能となるはずです。
しかし、ソース階級はAIグラスをつけて生活し、その生活の会話や見たものをAIの学習データとして提供することで、生活の保証であるベーシックインカムを受け取ることができるのです。
つまり、シンギュラリティによって労働価値がゼロになった世界で、人間の日常そのものが価値を持ち、ベーシックインカム実現の鍵となるのです。
これはSFのような話に聞こえるかもしれませんが、AIの急速な進化を目の当たりにしている現代において、決して荒唐無稽な未来予想ではないと思います。
個人的には、そんな未来は、とても嫌な世界だと思うので、来てほしくないと思います。
終わり。